空ゆえに真

一般に、Aが一つもなければ、命題「全てのAはBである」は必ず真になる。(専門用語では、「空ゆえに真(vacuously true)」という。)驚くかもしれないが、次の命題は真である。

この文に反証する唯一の方法は、少なくとも一頭の五本足ではないユニコーンを提示することであるが、ユニコーンは一頭もいないので、そのようなユニコーンを提示することは出来ない。だから次の命題も真。

すべてユニコーンについてのどんなことも、それは空ゆえに真になる。一方、命題「全ての馬は六本足である。」という命題は偽だということが簡単に示せる。単に四本足の馬を連れてくればいい。

スマリヤン記号論理学 一般化と記号の12章より。